
配線不要の長距離通信で、建屋間や甲板間を結びます。免許不要帯域により見通しの良い環境ではキロメートル級の通信距離を確保し、屋内では中継器で通信範囲を延長します。透過・マスター・スレーブ・中継器の4つの役割はWebインターフェースから切り替えられ、1台のマスターで8台のリモート局を自動スケジューリングにより衝突なく運用します。
複数のフロアや建屋に分散した機械やポンプ場は、監視できないわけではありません。信号ケーブル1本のために天井を開け、ラインを停止する必要があるのです。複雑な工場レイアウトでは、配線工事と停止に伴う費用がハードウェアの数倍に及ぶことも少なくありません。
建屋・甲板・道路をまたぐ点では、免許不要帯域の無線リンクにより配線費用がなくなり、それに伴うライン停止も不要になります。
7段階のデータレートと4段階の出力。長距離リンクではレートを下げて距離を確保し、点が近い場所ではレートを上げて更新を速めるなど、同じ機器で異なる現場条件に対応します。
タグ定義とデータ形式はETH-A2Eと共通のため、有線と無線の混在構成でも上位システムからは1つのデータモデルとして扱え、2種類のパーサを保守する必要がありません。
マスターがポーリングスケジュールを実行し、リモート局がデータ収集と応答を行います。スケジューリングは自動で、厳密な要求・応答方式のため、衝突や再送をユーザー側で処理する必要はありません。地形により経路が遮られる場合や距離が1ホップを超える場合は、間に中継器を置いて通信範囲を延長します。
同じハードウェアが4つの役割のいずれにもなり、実際の設置環境の距離や遮蔽物に応じて組み合わせます。
タグは一元管理され、すべての読み値にステータスフラグが付きます。無線リンクは本質的に断続的であり、ステータスフラグの目的は、上位側が「値がゼロ」と「この読み値が届いていない」を区別できるようにすることです。通信タイムアウトが測定値のゼロへの低下と誤認されることはありません。I/O拡張はA2モジュールファミリーと共通のため、追加のI/Oが必要なリモート点でも別のモジュールは不要です。
ETH-A2シリーズは3機種で構成されます。有線Ethernet用のETH-A2E、LoRa対応のETH-A2L、デュアルLANシリアル分配用のETH-A2Nです。3機種とも同じA2シリーズI/O拡張モジュールと同じWeb設定を共有するため、現場条件に応じて選んでも予備品や教育が3系統になることはありません。有線区間はA2E、ケーブルが届かない点はA2Lという組み合わせが一般的です。
導入前は、建屋間の信号には配線とライン停止を伴う工事が必要で、遠隔地や無人の現場は監視されないままでした。導入後は、分散した点をLoRaで結び、秒単位で連続記録して再生でき、しきい値によるアラームとプッシュ通知を自動で発報し、既存の制御プログラムは一切変更しません。何も交換せず、何も書き換えないことで、導入コストを抑えられます。
外付けアンテナのため、内蔵アンテナの向きに縛られることなく、現場の遮蔽物や取付位置に合わせて種類と配置を選べます。金属製の盤内では通常アンテナを筐体外に出す必要があり、通信距離の評価時に考慮すべき点です。
| 無線 | 免許不要帯域・7段階のデータレート・4段階の出力 |
|---|---|
| 役割 | 透過 / マスター / スレーブ / 中継器 |
| 接続数 | マスター1台あたりリモート局8台 |
| データ | タグの一元管理、タグごとのステータス付き |
| I/O拡張 | A2 I/Oモジュールファミリーと共通 |